「バスを降りようとした利用者の目の前を自転車が通り過ぎて驚いた」というヒヤリハットは多くあります。この事例から引き出せる教訓とは一体何でしょうか?
まず、バスを降りようとした利用者の前を自転車が通り過ぎたことから、この介護者は、自分より先に利用者を降ろしてしまったことが分かります。利用者を危険な目に合わせないためには、介護者自身がバスの外の安全確認をし、利用者を後から下ろすことが大切です。
また、利用者が先にバスを降りることは、介護者のほうが高い位置に立つことになり転倒の際、利用者を支えることができません。バスの乗降やエスカレーターでは、介護者は利用者よりも常に低い位置に立つほうが、利用者の転倒に備えやすいという側面があります。これらのことから「バスを降りる時は介護者が先に降りたほうが安全」という教訓が引き出せます。
その他、「入浴中、シャワーの湯温の変化に気づかず、利用者を熱がらせてしまった」というヒヤリハットもよくあります。これを放置してしまうと、利用者をヤケドさせてしまう危険性があります。しかし、目では湯温の変化は分からないものです。そのため、介護者はシャワーヘッドに軽く指をかけておくなどして、自分の身体で湯温の変化に気づく工夫をしておかなければなりません。
ヒヤリハットを学び、今後に役立つ教訓を意識しておくことは、安全な介護に繋がるだけでなく、自身の技術向上にもなります。日頃から周囲に気を配り、利用者を守るケアを実施していきましょう。
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